シングルユニバーサルアンプ「富嶽2号改」
                                                          2004/2/15
                                                    updated 2004/2/23

  「富嶽2号」が長くなったので一旦終了し、「富嶽2号改」として稿を改めます。
  「改」となったのはインターステージトランス搭載によるものです。ソフトンさんのインターステージトランスRC20は元々「Big−One」についていました。MarkWまで改変を行った「Big−One」ですが、オリジナルに近い形に戻して球の違いによる音色の変化を良く補足するアンプとして活かしていこうと思い立ちました。RC20は同じシングルアンプの「富嶽2号」で使うことにしました。





  RC20は「蓋」の裏側、向かって右側に付けました。PT、OPTと合わせてトランスが計5個、しかもすべてRコアトランスです。
  トランスというと「帯域が狭まる」「音の色づけ」があると、あまり良いイメージにとられていません。これらは帯域の狭い昔のトランスを、クラーフ結合のような重畳電流を流さないで(流せないで)使った時の「伝説」が未だに尾を引いて居るものだと思われます。CDプレイヤーのアウトプットにもトランスは入っています。トランスの為に帯域が狭まるということは、オーディオではあり得ません。




  これまでカソフォロ段として使っていた7044パラは、引き続きトランスのバイアスとグリッド電流の処理に使います。接続は1次直列、2次並列でゲインはないが、グッリドプラス領域までの強力なドライブを狙っています。普通の並列でイントラ反転ではありません。

  トランスが入ったことでドライバー段のドライブ力が強力になり、カソフォロ時250Vppであったドライバーでの最大振幅が400Vpp以上になりオシロで追えないほどになりました。これはオープンにした時の話ですが、出力球が付いている時にも振幅が大きくなり、これまで7Wくらいしか出なかったSVETRANA811-3がノンクリップで12Wまで出るようになりました。
  トランスが入った事による音の変化は、音が滑らかになることです。しかも細かい音をよく拾って呉れるようになります。「トランスは電流でなく電圧変化で音を伝えていくから、細かい音も立ち上がりがよくなって、よく出てくるようになる」という事が言われています。そのような理屈は横へ置いて於いて、素直に「和める音」で音楽を楽しめます。



カソードパスコンの容量
  カソードパスコンをアースではなくてアウトプットトランスの+Bに繋ぐと、出力管とOPTしか経由しない理想的な信号ループを作ることが出来ます。高耐圧のコンデンサーが必要であり音質を考えるとフィルムコンデンサーを選ばざるを得ません。高価なものですので容量は適正にしたいものです。そこで電源のリップルフィルターになってる電解コンデンサーはそのまま残しておけば、信号回路用として容量を減らしても、ハムが増える心配が要りません。
  実験に使ったのは、いずれもポリプロピレンフィルムコンデンサーで、1μ630V、4.7μ-450V、33μ-400Vです。これらを組み合わせて1μ〜33μの容量を作り出して周波数特性を測定しました。





  容量が増えるに従って低域のレスポンスが良くなり、有る容量以上でフラットになることを予測していました。確かに最も小さい1μでは60Hz以下が下がっています。ところが、それ以上になるとむしろ60以下で盛り上がってきます。さらに容量を増やしていくと山が収まって、33μでやっとフラットになりました。

  原因は分かりませんが、小さなスピーカーでは2〜10μのパスコンを使えば低域を補強できる可能性があります。後はヒアリングを行って、この容量の変化がどう音に反映されるかを見てみることにしましょう。

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