特集 「クラシックは死なない!」 第2章 この人だけは語りたい

  1 いまは亡き演奏家

ディノ・チアーニ

ショパン「夜想曲第1〜18番」他
バッハ「パルティータ第6番」「プレリュドとフーガ」
ウェバー「ピアノソナタ第2 第3番」他
ドビュッシー「前奏曲第1 2巻」
シューマン「ノヴェレッテ」

ユニバーサル・ミュージック・イタリア 474 416-2
1962〜19738年

 「上記3つのDGアルバムが6枚組セットで再発」とあるボックスを入手しました。生きていればポリーニと同世代の「夭折した天才ピアニスト」。ライブ録音のショパンの夜想曲に彼のデリカシーが最もよく顕れていると思います。ただ、会場の咳が酷い! ぐっと身を乗り出すところで、ピアノに負けないくらいの大きさでゴホンとやられる。



  2 まさに現役

レイフ・セーゲルスタム

デンマーク国立放送交響楽団

シベリウス交響曲第2 6番

ONDINE ODE1026-2

 「大音響型」「随所で「もうやめてくれ」と言いたくなるほどの盛り上がり」とあるので「大いに」期待しました。後に出てくるパイタのようなケバケバしさは無く、むしろ正統性を感じます。あのシノーポリのマーラー同様、大きく揺れる音の流れに生理的快感を覚えます。


  3 おそるべし女流

スザンヌ・ラウテンバッハー

メンデルスゾーン「バイオリン協奏曲ニ短調」
「ピアノとバイオリンのための協奏曲」
「弦楽のための交響曲第1 2 8 10番」
「ピアノ四重奏曲第1 2番」

CONCERTO ROYALE 206232

 「端正」なという形容がピタリと嵌るバイオリンの音色です。タイトルに出ているバイオリン協奏曲等( 有名でない、駆け出しの頃の作品)よりも、ピアノ四重奏曲の方が楽しめました。この人はソリストよりも室内楽に向いているように思います。3枚組879円は良い買い物でした。


  4 知っててこの人たち

宇宿允人

フィルハーモニアTOKYO

モーツァルト交響曲第40番
ブラームス交響曲第2番

US 003
1993年

 「本」ではクナッパーツブュシュやセーゲルスタムが引き合いに出されているので、どんなえげつない演奏が思っていました。聴いてみると失礼ながら意外とマトモです。普通の演奏と違うのはサラッと通り過ぎていかず、フレーズ毎に耳をそばだてる事を要求される気がします。心地よく聴くと言うより、真剣に対峙するような聴き方になります。その意味で、指揮者の意図がハッキリ表されている凄い演奏です。

カルロス・パイタ

モスクワ・ニュー・ロシア管弦楽団

チャイコフスキー交響曲第4番
ロメオとジュリエット

LODIA LO-CD791
1994年

 南アメリカの大富豪が金に飽かせてモスクワの音楽家を集めた楽団でやりたい放題。と書けばあの迷ソプラノの珍演を思い出しますが、こちらはずっとマトモ。かのフルトヴェングラーが南アメリカ公演の際に助手を務め、フルトヴェングラーの音楽を世に広めるのが自分の天命と思っている方です。それにしてはえらく楽天的な演奏です。チャイコの4番は、常々出だしのトロンボーンの斉奏をもっと派手にやってくれないかと思っておりました。それをキッチリやってくれました。実に爽快なチャイコフスキーです。

カルロス・パイタ

ロイヤル・フィル

ドボルザーク交響第7 8番

LODIA LO-CD791
1989年

 これもパイタの爆演が思いっきり楽しめます。ブラス、バリバリの新世界です。精神性が無いとか評論家には何かとウケの良くないパイタですが、私は大好きです。聴いていて快感を覚えるという、音楽のある一面を最高に引き出しているのです。もっともっと聴きたいのですが、HMVに注文してもなかなか入ってきません。大金持ちがデッカから版権を買い取って自分のレーベルを押っ立てているのですから、もつと流通させてほしいものです。





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