特集 「クラシックは死なない!」 第3章 衝撃的アルバム群

  1 聴かずに死ねないぶっ飛び演奏

メンゲルベルグ
コンセルトヘボウ管弦楽団

ベートーヴェン交響曲第9番

M&A 4918
1938年

 これぞゲテモノと昔から愛聴しておりました。編曲で聴く名曲集  その1 ベートーヴェンの交響曲で取り上げようかと思ったほどスコアに細かく手が入っています。劇的効果は抜群。中でも曲のエンドでの「バン」のおかしさはクラシック初心者でも「?」ものでした。
 これはLP(SFON10593)のジャケットです

シェルヘン
ルガノ放送管弦楽団

ベートーヴェン交響曲第9番

学研 PLCC731
1965年

 「本」ではマーラーの5番」を上げていますが、大きなカットがあり、前後する年で演奏が大きく変わるということなので、ベートーヴェンの交響曲にしました。
 死の前年、「本」のマーラーの翌年の録音です。味見に第9と第7,8の2枚を買いましたが結局残りも買って全6枚の全集になりました。思いもかけないところでテンポが変化しますが、極端な遅さ、早さです。オケが付いてこれようがこれようまいが、お構いなし。まるで、死の予感があって、とにかく思い通りにやるんだと決意したかのようです。第9ではテンポ以外にも、声楽がオンマイクで前に出てくるという特徴があります。



  2 いまの世もまだまだぶっ飛び演奏

ビオンディ
エウロパ・ガランデ

ヴィバメディ「和声と創意の試み」全12曲

VIRGIN VC5454652
2000年

 あの「四季」に、まだこれ程新しい息吹を吹き込む余地があったとは! ちょいとアクセントの付け方が変わっているんだろう位に思って聞き始めたら大間違い。次に何がでてくるか、最後までワクワクしどおしでした。新しいスタイルを確立したと言って良い位です。後日、カーステでこの四季をやっていましたが、一発でビオンディのものだと判りました。

バティス
メキシコ州立交響楽団/ロイヤル・フィル

ビゼー管弦楽全集

BRILLIANT-CLASSICS 99786

 「本」のチャイコフスキー交響曲全集は敬遠してこちらにしました。
 バティスの「爆演」スタイルは軽快・快速でノーテンキなこと。決して重くなりません。そのスタイルはチャイコよりもこちらの方が合っていると思います。3枚組ですがアルルの女やカルメンはメキシコ州立交響楽団でやっています。音質の管理が杜撰なようで(他のメキシコ州立交響楽団も同様です)バズノイズや隣のスタジオの音が混入する箇所があります。ステレオ装置の故障ではありません。

ハーディング
ブレーメン・ドイツ・カンマーフィル

ブラームス交響曲第3、4番

VIRGIN VC5454802
2001,2000年

 数年前にマッケラスの室内オーケストラによるブラームス交響曲全集が出ていました。あれとは違って中規模のオーケストラですが、似たような澄んだ音色です。ブラームスというと各パートが混ざり合って重厚な音に成るものですが、ハーディングは、普通は混じり合ってしまう内声部を、殊更に際だたせて演奏しているようです。クナのやりたい放題のブラームスがありますが、それでも「ブラームスの音」が出ていて違和感はありません。これは主旋律は確かに合っているのですが「あれあれ?」っていう演奏です。


  3 意外な一枚

ゴロワノフ
ボリショイ歌劇場管弦楽団

Rコルサコフ「シェラザード」

BOHEME CDBMRGOLO06
1950年

 大時代的という意味でメンゲルベルクの上を行く指揮者が居ました。ロシアのお国ものと言ってしまうにはあまりにもスケールが大き過ぎます。独奏バイオリンはオイストラフがやっています。
 ゴロワノフでは「悲愴」と「1812年」がカップリングされているものも入手しましたが、こちらも感激ものです。

ミュンシュ
ボストン交響楽団

ドボルザーク交響曲第8番

BMGジャパン BVCC7913
1961年

 ミュンシュは昔から好きで、廉価盤「不滅のシャルル・ルミュンシュ」シリーズは殆ど買いました。その一枚が「アタリ」でしたが、特にこれだけが際だっているとは思いません。カップリングのピアテゴルスキーがやっているチェロ協奏曲もチャーミングです。


  4 落とせなかったすばらしい演奏

オークレール
ロベルト・ワグナー インスブルック交響楽団

メンデルスゾーン バイオリン協奏曲

ユニバーサル UCCP9061
1963年

 本当に優しいメンデルスゾーン。LP 時代に900円の廉価盤でデビューした時から愛聴しています。

クーベリック
バイエルン放送交響楽団

ベルリオーズ 幻想交響曲

ORFEO 499991
1981年

 第1章のマーラーの第9と同様、手兵バイエルン放送交響楽団とのライブです。決して「爆演」ではなく、至極真っ当な演奏です。残念ながら著者の言う「妖しい光」は体験できませんでした。

ザヴァリッシュ
ドレスデン国立管弦楽団

シューマン交響曲全集

BMGジャパン BVCC7913
1972年

 LPによる初出の時から聴いています。充実していますが、地味な演奏なので余り人気は出なかったようです。爆演ばかりでなく、こういう正統な演奏が再び取り上げられようになったのは喜ばしい限りです。
 ジャケットはLPのものです。右下には「昭和48年芸術祭参加」のシールが付いています。





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