特集 「チャイコフスキー交響曲第5番」

  チャイコフスキーの交響曲第5番は、4番の華やかさには欠けますが、ロシア音楽の暗い情熱をよく表した後期の3曲の中で最も劇的な曲です。手持ちのソースからLPやエアーチェックの録音・録画を除いた8枚のCDを聴き比べました。リストは演奏時間の短い順に並べてあります。

★★★

ムラビンスキー

レニングラード・フィル

ビクター VDC25024

1983年3月19日 (42分47秒 )

やはりトップバッターはこの人でした。「ルスラン」ほどではありませんが、早い棒にオケが良くくっついていきます。
  ロシアのオケは金管の配置が変則的なことがありますが、ティンパニも右から聞こえてきます。

★★★

ムラビンスキー

レニングラード・フィル

ポリドール POCG9835/6

1960年11月 (42分56秒 )

上記の約20年前の録音。巨匠50代の油の乗り切った時期の録音。基本的なスタイルはかわりません。上記がライブなのに対し、ウィーンのムジークフェラインザールでの録音用の演奏のため、バランスのよい豊かな音に仕上がっています。

★★★★

スベトラーノフ

ロシア国立交響楽団

キャニオン PCCL00555

1990年6月3日 (46分18秒 )

サントリーホールでのライブ録音。ロシアの大地の香りがするチャイコフスキーです。特に第4楽章はやりたい放題。マイクが間違ってティンパニの際に置かれていたのではないかと思うほどの凄まじい強打、音が割れかけているボーンの咆吼、チャイコフスキーに酔いたい方には最もお勧めです。

★★★

カラヤン

ウィーン・フィル

ポリドール F35G50073

1984年3月13〜22日 (46分44秒 )

これ以上付け加えることも差し引くこともない完璧な演奏。

★★★

ヴァント

北ドイツ放送交響楽団

BMG BVCC38168/9

1994年3月6〜8日 (46分57秒 )

いつもよりティンパニ控えめ。音の強弱、テンポの変化は充分なのだが、どこかクールさを感じるチャイコフスキー。

★★

ベーム

ロンドン交響楽団

ポリドール POCG2305/7

1980年5月 (50分44秒 )

ミスキャストだが、ひっとして化けてるかもと買ったが、矢っ張りミスキャスト。緩い目のテンポが延々と続く。

★★★★★

ロストロポービッチ

ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

東芝EMI TOCE7140

1976年10月6〜7日 (51分51秒 )

滔々たる流れの中に身を置くかのようなスケールの大きな演奏。テンポの変化、音のダイナミックさ共に申し分なし。ベストワン

★★★★

バーンスタイン

ニューヨーク・フィルハーモニック

ポリドール UCCG3137/8

1988年11月 (52分40秒 )

レニー晩年のNYフィルとの共演。ライブかと思うような起伏の大きな熱演。スヴェトラーノフの激しさとロストロポービッチのスケールを併せ持つ。弦のメタリックな響きが無ければベストワンだった。



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