新シングルユニバーサルアンプ「富嶽2」


 ICLソフトンの善本さんが大型のRコアOPTを廉価で頒布されることを聞きおよび、このOPTを搭載した新アンプを作ってみようと思い立ちました。送信管がベースの211、845は内部抵抗が高く、ハイインピーダンスのOPTがマッチングしていますが、これまでのシングルユニバーサルアンプ「Big−one」では3KΩと必ずしもベストマッチではありません。これらの球が、その性能を充分に発揮できることを狙っています。   

その1 定電流点火  2003/6/14



 巷では、直熱管は定電圧点火より定電流点火のほうが、音がよいと言う説が流布しております。「大和の桜」さんが300Bシングルを定電流点火に変えられたものを聴かせていただいた事がありますが、チャイナの300Bとは思えぬ妙なる音がしておりました。いつかやってみようと思っておりました。「富嶽支援戦闘機」では、これまでの定電圧点火(本当は、定電力点火)ではなくて定電流点火をやってみようと決意いたしました。
 可変型3端子レギュレーターは、OUTPUT端子とADJUST端子間が1.25Vを保つように設計されていることを利用し、図のような回路で定電流点火することができます。この回路では可変抵抗の抵抗値が少ないほど大電流が流れます。電流は可変抵抗のショートされていない抵抗体の部分しか通りません。例えば4Aが必要なとき、5Ω/20Wのボリュームを持ってきても、使われるのは0.3125Ωです。全体で20Wあっても実際に作用するのは0.3125/5*20で1.25Wです。これでは保ちません。
 5Aまで使えるLM338を用いて下図のような回路にしました。定電流ダイオード(CRD)と100Ωのボリュームで定電圧を作ります。LM338は、0.11Ωの抵抗の両端に発生する電圧と、定電流ダイオードと可変抵抗で作られる電圧の和が1.25Vになるように出力電流量をコントロールします。この回路で1A〜5Aの定電流が取り出せます。5V-1Aの300Bも7.5V-1.25Aの801(VT62)でも、10V-3.25Aの805でもOK。ブリッジ整流にはショットキーバリアーダイオードを用いると順方向の電圧ドロップが少なく、AC10Vからでも805や830Bのような10Vタイプの送信管の点火がなんとか可能になっています。本当は12Vの端子から取り出したいのですが、コンデンサーの耐圧を越えてしまいますので10Vにしています。CRDは富嶽の差動化実験で用いた手持ちのものを使いました。ここは併用するボリュームの値と相談して、2V程度の電圧が発生できればどんなCRDでも使えます。


  バラックで実験している様子です。LM338は3Vの電圧ドロップを起こしますので、4Aなら最低でも12Wもの発熱があります。相応の放熱板に取り付けなければなりません。放熱板は手持ちに100*80*20のものが有ったので、もう一つ買い足して使いました。ボリュームはこんな小さなモノで間に合います。
  
表側



裏側

 この定電流ブロックを、これまで「富嶽」や「Big−one」でジャンボUX4ピンの送信管を鳴らすのに使っていた「黒い箱」に取り付けます。富嶽十景の845PPや「Big−one」の45種の出力管聴き比べ で使っています。「黒い箱」の左右両端はヒータートランスで出来ており、6−12Vが選べます。定電流回路をいれないときは8Vをショットキーバリアーダイオードで整流すると丁度10Vになります。830Bの足は通常のUXですが、フィラメントは10Vが必要なため、フィラメント電流だけここから供給するということも出来ます。
  「裏側」の左右には定電流ブロック、中央はコントロールパネルです。ボリュームの下にあるスイッチはトランス端子の8Vと10Vを切り替えるためのものです。送信管や845は10VACで、811シリーズの6.3V-4A等は8VACに下げて発熱を押さえます。

その2 電源および信号回路の検討
  2003/6/19
  2003/7/5 updated


 RW-40-9.5およびRW-40-5はシングル、ブッシュ兼用ですが、シングルで設計してみました。本体のヒーター回路はAC6.3Vのみにとどめ、直熱管は上記の定電流点火装置を使います。シャーシは鈴蘭堂のSL400、パワートランスはノグチのPCM264Mを想定しています。戦闘機でも「ぺるけ」さんや「亀」仙人さんのような軽妙な仕上がりではなく、かなりの重戦闘機です。
  +BはDC500Vと450VをACのタップで切り替えます。450Vは、多極管へはUL接続のみの対応とするため、2ndグリッド耐圧が低い球用です。マイナス電源の取り出しについてはPCM264が持っている120Vタップでは低すぎるし、かといって360Vでは高すぎるので、中間の電圧のタップを引っ張り出す算段です。電圧増幅は双3極管の7119の2段増幅とし、出力段との間にはプラスバイアスでの使用を考慮してカソフォロ段を設けます。
シングルでもプレート電流の定電流化によって音質向上に効果の有ることがわかりました。電流値は50〜100mAとし、50Ωの固定抵抗と50Ωのボリュームで調整します。初めてカソードNFを取り入れる予定でしたが、定電流回路が入ることになってどこからフィードバックをかけたらよいのかは実験で検討することになりました。KNFをかけないのなら青色のコンデンサーで+Bにバイパスするだけですが、KNFをかけるなら赤色のコンデンサーでNF巻き線に接続します。普通はカソード抵抗とバイパスコンデンソーともにNF巻き線に繋いでいますが、定電流回路からは直流しか出てこないのでパイパスコンデンサーだけで良かろうと考えています。赤か青か、それとも両方かは実験で決めることにします。




その3 電源トランスの変更  2003/7/10

  特に今回は完成後も何度も裏返して変更する事が起きてきそうです。また、「Big−one」「富嶽」では最後方に2つのアウトプットトランスと電源トランスをトランスを並べており、重心がアンバランスです。バランスがよく、ひっくり返した時にシャーシがフラットで安定するレイアウトが望ましいのです。例えば、最も背の高いRW-40を中央、左右の両側へもってくると重量バランス、裏返し時の安定性共に満足させられそうです。ケースを鈴蘭堂のSL10としていろいろレイアウトを考えてきましたが、RW-40が大きいため、バランスを重視したレイアウトにするとかなり窮屈です。また出力管のすぐ脇に背の高いアウトプットトランスがあると放熱にも問題がでてきそうです。
  あるレイアウトを思いついてパワートランスもRコアに変更することにしました。フェニックスのホームページで見るとRAコアで特注を受け付けています。RW-40はR160コアです。アウトプットトランスと大きさを揃えるとRA150かRA160ですが、電源容量が不足します。次のRA200でやっと240VAです。算段してなんとかPMC-264Mと同等の電源を作ることができます。バイアスやカソフォロ用の巻線を追加し、その電圧を必要な電圧にまで下げることで容量を有効に利用すると共に、不要なヒーター巻線を整理しました。熱的にもよけいな電圧降下による発熱かせ無くなる分ベターです。高圧巻線だけ見ると、見掛け260mA→310mAに増えています。値段も税・送料込みで約14000円と実質PMC-264Mと同じで、気軽に発注できます。ノグチの電源トランスは上手く品揃えがなされていて大体間に合いますが、どうしても過不足が出てしまいます。その点Rコアのほうは、特注ですから欲しい巻線だけで出来上がります。

  本当は前段専用に1回路使って片側アース、左右の出力球にそれぞれ1回路としてアースからは浮かす設計にしたかったのですが、6.3Vが巻線数の制限で3回路とれません。全体の容量も7Aしかありませんので1回路にして融通しやすさを取りました。その結果4回路3接点切り替えスイッチを使って切り替えをすることになりました。詳細は「その4」 で説明します。


  (追記 2003.8.7)ソフトンの善本さんのアドバイスにより、K2544の出力段リップルフィルターのゲートとアース間に500KΩの抵抗を付けてゲートの電位を安定化させました。またドレイン−ゲート間の抵抗を15KΩに変更しました。これによってリップルフィルターでの電圧降下が15Vになります。


2003.7.16
  フェニックスから特注トランスが届きました。試験成績書を見ると、6.3V以外は負荷時の電圧もぴたり。6.3Vは7A負荷時でも6.46Vとやや多めです。重量4キロ弱、なかなか存在感があります。善本さんのOPTはこれより一回り小さいはずです。それでもOPTとしてはかなり大降りです。
  外観は含浸液が巻線の取り出し部からフレームまでこびりついていています。6C33-OTLで使った金田仕様の時は胴の部分は黒いフィルムが巻いてあったのに、今回はただの紙。矢張りとても外へ取り付けられるようなシロモノではありません。幸いにして胴体の幅の寸法は公称値よりまだ数ミリ内輪になっていました。なんとか予定のレイアウトが取れます。善本さんのOPTが届く前にもシャーシの加工に入れそうです。

  14000円出費して、もう後へは戻れない。


その4 製作  2003/7/20
SL10の穴空けが完了しました。

シングルなのに出力管の穴が4つ?
背面にも球を刺すつもりなのか?
電源トランスはシャーシに収まるのか? 
部品の取り付けも完了。

プッシュプル風シングル? 830Bを付けて記念撮影。

  オクタルのソケットは上の写真のようにシャーシ面状と背面に付いています。背面のは「定電流点火ユニット」を接続するモノで、配線上は上面のと全くパラになります。オクタルソケットには傍熱管を付ける場合と、ソケットアダプターを介してUX-4pin以外の直熱管を付ける場合があります。前者はパーワートランスの6.3Vを巻線をそのまま使います。前段に3A使ったとしても一本当たり2Aあるので大概の球は使えます。6CC33のような超大飯ぐらいや、6336のような特殊な出力管は「Big-one」に任せて、「富嶽2」では扱いません。
  厄介なのは後者の場合です。直熱管なので左右別々のフィラメント点火回路に繋がなくてはなりません。この場合はUX-4pinの1番、4番ピンを経てプレート電流定電流回路に入ります。背面のオクタルソケットの間にあるトグルスイッチで4回路切り替えます。(電源回路図 6.3V参照)
OPT量産試作品到着  2003/7/29

  ソフトンの善本さんのご厚意により、RW-40-9.5の量産試作品をお借りすることができました。タムラの2000シリーズとほぼ同等の大きさであり、なかなかの存在感があります。シャーシ内の配線はあらかじめほぼ完了状態にしてありました。船で言えば進水式が終わり、これからいよいよい艤装にとりかかるところです。

その5 製作途上大公開  2003/8/4
  外観上はこれで出来上がりです。最後列の赤紫色の出力球はJJのEL34です。トランス類はどこへ行ったかって? SL10の下の黒い箱の中です。
  箱の周囲は厚さ14ミリ、巾90ミリの単板です。底板は同厚で巾180ミリで、手前は40ミリ開けてあります。底板は下から10ミリ浮かして取り付けており、外気がSL10の裏板のスリットから、この隙間を通って入ってくるようにしてあります。箱の深さは66ミリですが、ソフトンのOPTはケースから出すと体積が半分以下になるので充分余裕があります。左右のトランスの間に47μ/550V*3のブロックコンデンサー(ラックスキットのA3600から外したもの)を2個入れて、出力段の平滑回路もここへ収めてしまおうという魂胆です。

 次は、いよいよ内部の公開です。

  シャーシSL10は蝶番で下の木箱に固定されており、前方から蓋のように開けて、回路調整が出来るようになっています。「富嶽」では外側に測定端子や調節スイッチ類を設けましたが、更に測定個所が増えてくるので通電状態で「蓋」を開けて調節するようにしました。

  OPTは借り物なので余分な線を切りつめていません。バラック配線状態です。左下の白枠内はぺるけさんご推奨の出力球カソードから直接OPTの+Bに行くパスコン。当初ニコイチのブロックコンを考えていましたが、いよく考えるとここはプラマイナスの端子が別々に必要になります。47/500V*2のブロックコンを2個投入する羽目になりました。その左隣の黄緑色の枠内は出力段定電流回路、左端の空色の枠内は200Vのプラス・マイナス電源です。7119-2段の電圧増幅段、バイアス回路及びカソフォロ段はピンクの枠内に詰っています。

 通常のアンプはこのピンクの枠内から更にカソフォロ段を外したものです。この手のアンプが如何に電源回路に手間とスペースを食うかお解りいただけると思います。。

   「富嶽2」 離陸の時迫る  2003/8/7
  傍熱管なので回路図にあるようなフィラメント回路は使っていません。2段目は定電圧回路を省いて、+Bから10Kの抵抗で50V落として使う設計になっています。縦型の電解コンは最大450V耐圧なので、出力球に安定した電流が流れるまでは耐圧オーバーです。
  今回はOPTが9.5Kとこれまでになくハイインピーダンスなので、1次と2次の巻線比が大きくなります。それだけ回路としての最大振幅を大きくとらなければいけないと、低内部インピーダンスの7119を高電圧で使いました。
  出力管をKT88にして各部を修正しました。2段トータルでの出力電圧を300Vp-pまで稼ぐために初段の負荷を軽くし、カソード抵抗を小さくしてプレート電流を増やしました。また増幅率を若干下げるため初段カソードパスコンは外しました。
  結局出力段のカソードパスコンはOPTに繋ぎませんでした。理由は音です。ここのパスコンで音はコロコロ変わります(だからオートバイアスは嫌いだった)。ミューズと通常品の差が甚だしく50Vの耐圧に合わせて通常の使い方になりました。16ΩのKNF巻線が2系統あるので一方をこのバイパスコンを通してカソードに繋ぎKNFとして使いました。これだけで6dB有ります。更にもう一方をオーバーオールのNF用に使いました。球によってバイアス量を加減するためRNFは3段階に切り替えることが出来ます。UL接続分も加えるとトータルで約20dBのNFを駆けることができました。RW-40-9.5の素直な特性のお陰です。
  出力はノンクリップで8.4Wでした。これは「Big−One」でのKTの出力の半分です。よけいなところが差動アンプに似ています。

  出力段のカソード電圧は、固定バイアスを併用しているので定電圧回路が動く最低限の電圧にして発熱を減らすよう調整します。無信号時に調整すると10V程度で6.2Vのツェナーダイオードが定常の電圧に達しました。ところが出力をあげていくとここの電圧が下がって来ます。固定バイアスを浅くして、カソード電位を上げてやると定常電圧まで上がって来ます。最終的に最大出力時には約23Vにもなりました。固定バイアスを併用している場合は対応できますが、三端子レギュレータでオートバイアスのみの場合はどうなるのでしょう。バイアスが深い場合は問題は起きませんが浅い場合には定電流動作に至らない事も起こりうるのでは無いでしょうか。

  最後に音ですが、素晴らしいの一言につきます。スケール感がありたっぷりとした低音、柔らかく暖かい中高音域、音像の奥行き感も申し分有りません。試作機の300Bより遙かに高品位で風格のある音です。ソフトンさんの新OPT、RW-40-9.5に負うところ大です。




カソード電圧対策  2003/8/10

  カソード電圧を嵩上げしないと定電流動作出来ない原因について、ぺるけさんの掲示板で、上條さん他の方々からKNF巻線からの信号の振幅がD970のコレクター〜エミッター間電圧以下でないと定電流動作できないとのアドバイスを頂きました。折角のKNFを減らすのも嫌なので、KNFをかけた後の信号が定電流回路に入るように変更しました。またカソード電流をバイパスして通常の固定バイアスも選択できるように切り替えスイッチを設けました。
  

その6 初飛行  2003/8/21
  ソフトンさんの製品版のRW-40-5がやっと到着しました。早速試作品のRW-40-9.5と入れ替えました。+Bパスコンを採用しなかったためパネル右下のブロックコンデンサーを撤去し、替わりに2段目(+B2)のプレート電圧安定化回路を組み込みました。
  下の箱から2本の白いコードが延びていますが、これは2つ目のKNF巻線から取ったオーバーオールのNFラインです。先はテストピンが付けてあり、初段のカソードで3種類のRNFのいずれかに繋ぎます。
  SVETLANA 811-3Aで初飛行です。RNFは3KΩに繋いであります。この球はソフトンの善本さんが作られた SV811-3 シングル 12Wモノラルアンプと同じものです。プレート供給電圧457V、プレート電流90mA、バイアス-52V (-45V-7V) での運転でしたが出力は残念ながら12Wに届かず7.4Wでした。プレート定電流方式から通常の固定バイアス方式に変えてみても同じ出力でした。カソフォロとインターステージトランスの差でしょうか。
 オーバーオールのNFは2dBしか懸かって居ませんがKNFの御利益でDFは4.0と充分な値でした。
  クロストークを測りました。OPTをケースから出した上に2つ並べていますので最も気になる特性でした。20〜20kHzではオシロで見る限り無信号時と差が見られません。50kHzで-61dBでした。予想外の好成績です。


  ちょっとCDを聴いてみました

  チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」第3楽章/スヴエトラーノフ/ロシア国立交響楽団
元々気分転換の楽章だけれども、凄まじいティンパニと大太鼓の咆吼。ホントに第4楽章に繋がるのか心配になるほど。締まりがあって、かつ、よく響く打楽器が快感。

  ベートーヴェン交響曲第5番第4楽章/ケーゲル/ドレスデン・フィルハーモニー
この楽章は第3楽章から「もゃっと」繋がるのが普通なんだけれど、ハナからオケが押し出してくる。オケを鞭でしばきまくった鬼気迫る怪演。硬さが耳につくCDだったが、リマスタリングしたかのような音で演奏に浸れる。

  ブラームス交響曲第1番第1楽章/ヴァント/北ドイツ放送交響楽団
通常は出だしだけで後は引っ込むティンパニが鳴りっぱなし。ティンパニ協奏曲。ティンパニがオケに埋もれずによく分離されて聞こえる。

  「勝ち誇った女」〜16-18世紀チェンバロ・ヴィルトオーゾ作品集/鶴田美奈子
ナクソスの新譜。このレーベルは安いだけあってコンピューターでマスタリングしているそうだ。乾いた軽い音がするCDが多い。 これも例外ではなく潤いのない音だったが、現代チェンバロの音としてそれなりの響きが楽しめるようになった。

   他のOPTと純抵抗を比較してみました

メーカー型番タイプインピーダンス(Ω)純抵抗(Ω)
ソフトンRW-40-5S/PP5K180
ラックスOY15-5PP5K170
OY15-3.5PP3.5K75
タムラF-683PP5K145
F-783PP5K100
F-2007S3.5K63

ラックスのOY15-5とほぼ同じです。タムラのOPTはラックスに比較すると純抵抗が低く、やや太い線材を使い、DC損を小さくする設計になっているのが判ります。それに対してソフトンのこのOPTは巻数を増やしてインダクタンスを稼ぐ設計になっているようです。OPTの設計が音にどのような影響を与えるのかは判りません。同じタムラのOPTでもFxxxシリーズとF200xシリーズとでは音の傾向が違います。ただ凝集力を感じる点でラックスと共通の音色を持っているように思います。



その7 「富嶽2」十景  2003/8/23
  JJ−KT88 最もシンプルな形。「内蔵」のAC6.3V巻線で点火します。球は最後列のUS-octalソケットに差し込みます。
  SVETLANA−811−3 直熱管の点火には冒頭の「黒い箱」の定電流電源を繋ぎます。球は手前の列のUX-4pinに差し込みます。
  「黒い箱」の定電流電源は、「富嶽2」の背面にオクタルプラグ・ソケットで連結しています。
  CETRON−811 300Bにトッププレートを付けたような格好です。放熱フィンがプレートについた非常に美しい球です。トッププレートにはパネル上面のテストポイントを使って対応します。


その8 考察  2003/9/3



  EL156(China) でパワーバンドを測定してみました。25%のUL接続で、KNFはON、オーバーオールのNFはかけない状態での測定です。ノンクリップ最大出力を最大出力にとっています。1kHzでの最大出力は、通常の固定バイアス(ノーマル)、定電流共に11.6Wでした。この時のプレート電流はノーマルで122mA(最大出力時)と105mA(無信号時)、定電流は114mAでした。
  高域は共に25kHzまで最大出力を保っています。一方低域では500Hzから差が出始めます。ノーマルでは、ここから最大出力の低下が始まりますが、定電流にすると100Hzまで11.6Wの最大出力が保たれます。グラフでは50Hz以下で両者の差は殆ど無くなってます(実測値は50Hzで両者とも2.3W、40Hzで1.3Wと0.9W、30Hzで0.7Wと0.5Wというように、若干定電流の方が大きな出力になっています)。この低域のパフーォマンスの差が、定電流アンプの低域の張りや定位の良さという特徴を示す要因の一つになっているのではないかと考えられます。
  「容量40W」のOPTでも50Hz以下ではこの程度しか出力が出せないのですね。

  パワーバンド測定で一言
  OPTの低域レスポンスは、容量で謳われています。PW-40-5は40Wです。この40Wの周波数が問題です。非常に悪くて60Hzとしても、オクターブ下の30Hzでは10W出ていなくてはなりません。それが1W未満にしかならない。これは、通常の「容量」で言う出力はピークハイトやピーク面積表示で歪みを考慮していないためと思われます。今回の測定では、ピークに余裕があっても波形が歪んでくればアウトにしています。実際、30Hzでもピーク高は1kHzと同じ位出すことは出来ました。しかし、もはや音楽の再生とは言い難い波形でしたのでカウント外としました。

手直し
  2系統あるKNFの一つをKNFに、もう一つをオーバーオールのNFとしてきましたが、高域のみならず低域でも不具合がでてくるようです。ソフトンさんのおっしゃるとおりに2系統をパラにしてKNFとし、オーバーオールのNFは8Ωの端子から取ることにしました。
  12W近く出力が出ている方がEL156(China) です。プレート電流もソフトンさんの推奨値90mAに押さえてあります。その他の条件は前回と同じです。定電流でやっと100Hzまで最大出力を保っていた低域が60Hzまで延びています。また通常の固定バイアスとの差もかなり詰まっています。
  7W程度の出力が出ているのは300Bです。こちらの方が低域のレスポンスが良さそうに見えますが、絶対値でEL156と比較すると40HZ以下のレスポンスは殆ど同じです。OPTの特性で押さえられているように思われます。

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