富嶽十景 目次

「富嶽」本体
6C33Cと6C19パラプッシュ
845PP
245と6B4Gパラプッシュ
12GN7と6336単管PP
STC-12E1とSVETLANA-572-30
300Bでイヤースピーカーを鳴らす
「富嶽」の格納庫
ハイビジョン・プロジェクター




富嶽十景 その1  





「富嶽」本体
「富嶽」本体と各種ソケットアダプター
  「富嶽」の名は第二次大戦中の幻の6発戦略爆撃機にちなんで名付けています。全幅、全長ともB29の1.5倍有りながら重量はその半分というもので、当時の日本の技術で可能であったかどうか疑わしい仕様です。しかし、もし完成し、戦略爆撃機として正しく使われていたなら、あるいは・・・というロマンがあります。もっとも、大和や武蔵では余りにも月並みなので、少々変わった名前にしたかっただけという声もあります(笑)
  構成は、初段が6299、位相反転段は5687のムラードタイプで、その後に5687によるカソフォロ段を設けています。
  プレート電圧は背面にオクタルソケットを付けてトランスのタップを配線し、ソケットを交換することで切り替えできます。DCで約500V、420V、250Vの3水準が選択できます。平滑はチョークでなくFETのリップルフィルターで行っています。
  ヒーター/フィラメントはAC-DC切り替えとし、DCの場合の電圧調整はバナナプラグでセメント抵抗を取り替えて対応します。PTの前とOPTとの間に見えるの放熱器は整流ダイオード用です。PTとOPTの間には更に10Aのヒータートランスを追加しています。PTの前方に水平に取り付けてあるのは+Bのリップルフィルターの放熱器です。
  出力管のソケットではオクタルとUXとが直接本体に刺せます。前段管の直ぐ後ろ一列がオクタル用、その後ろ一列がUX用です。それ以外のソケット形式にはアダプターで対応します。オクタルソケットの間に見える黄色のプラグはSG端子の接続先を選択するもので、3結/UL/5結が選べます。5結の場合には200Vの定電圧電源を用意しています。またその後ろUS4ピン用ソケットのところに赤い短線が見えますが、ここへヒーター電圧を調整するための抵抗を刺します。今はAC点火用に短線でショートしてあります。

  冗長な配線を避け、発振から逃れるためにレイアウトは極力「回路通り」になっています。前面ほぼ中央に入力端子があり、そのすぐ後ろに初段球6299。その左右が5687の位相反転段で、次のカソフォロ段との間にバイアスとDCバランス調整用のボリュームが有ります。2列の出力球のソケットの後ろにアウトプットトランス、そして出力端子と、信号は前方から後方へ流れます。入力端子の左にあるスイッチはNFの切り替えスイッチです。中点付きのトグルスイッチ、non-NFと、NF量を2段に切り替えられます。
  電源は左端にかためて信号の流れとクロスするように供給されます。見にくいですが、シャーシ上に3枚の放熱板を置いています。パワートランスの前に寝かしてあるのが、出力段のリップルフィルター用で、その後ろとパワートランスの右に立ててある2枚は出力段の直流点火用の整流ダイオード用です。その後ろ、パワートランスとアウトプットトランスの間にヒータートランスが有ります。一般市販品では最大のノグチのPMC−500Mは6.3V-4Aのヒーター巻き線を4本備えていますが、6C33を4本点火しようとするとそれでも不足します。

  ソケットアダプターはオクタルソケットに刺して使います。左の列上は6C19パラプッシュ用、下は6C33C用です。中央の列は上がノーバル9ピンで松下の50HB26が付いています。この球はAC50V点火なので2本のヒーター回路をアダプター内で繋いでAC100Vで点火します。下は双3極出力管の6336Bを片チャンネル2本用いてパラプッシュで使う為のモノです。パラプッシュ用のアダプターにはパラ止めの抵抗も付けてあります。一番右の列は、上から50CA10用、US4ピン−>オクタル変換用、MT9ピン−>オクタル変換用です。50CA10もその名の通り50BH26と同じAC50V点火ですので、ヒーター配線を繋いで2個一組で使います。

  
「富嶽」 動作真空管一覧 2000.1.25
「富嶽」 回路図 2003.8.26
「富嶽」 差動化実験 2000.5.5
「富嶽」本体の差動化/差動アンプの音 2000.7.21
TelefunkenのEL156がやって来た 2000.9.23




6C33Cと6C19パラプッシュ  

左 6C33  右 6C19
 6C33Cは金田式DCアンプで有名ですが、富嶽でトランスを通して鳴らしてみました。透明感と独特の「こく」のある音で、低域での底力を感じます。専用の600Ω程度のトランスもありますが、16ΩのSP端子を使っても2.5Kの負荷抵抗にすると250Vで23W得られます。更にUL接続用のSG端子をプレートに繋いで負荷抵抗を下げると、43Wもの出力が得られました。
  6C19Pは金田式DCアンプシリーズで世に出たロシアの球です。MT管のくせにずしりと重く、6C33の流れを引き継ぐ分厚い電極の立派な造りです。
 P損10W程度の低rp管で、小さくともレギュレーター管として使われたのではないかと想像します。パラプッシュで使いました。バイアスは-85Vと深いですが235Vで20W得られました。OTLでなくトランス式でも充分使えます。MT管らしからぬ豊かな低域で堂々たる押し出しで、出力以上の底力を感じます。純3極管で6BQ5等の5極管と同等の出力が取れ、お買い得でした。





845PP
  「ハンドレッドワッター」と呼ばれるP損100Wクラスの大型送信管はフィラメント電圧が異なります。専用の電源を持ったアダプターで対応します。
  845のAB1の標準動作例は Ep=800V Ip=40mA Eg=-125V 4.5K負荷で 40Wの出力となっています。定格上最大電流が120mAで、100Wもプレート損失の有る球にしてはやや小さくなっていますが、それにしても40mAとは余裕が有り過ぎです。電流/電力とも定格の1/3しか使っていません。富嶽ではプレート電流を80mA流すことによって520Vで25W得ています。低電圧動作ではイマイチの噂も聞きましたが、どうしてどうして柔らかで量感のある音です。





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