差動アンプシリーズ その2 前段差動 6U8-50CA10pp |
左 キットの前段部 右 6U8SRPP差動50CA10pp |
これも造りは同じで、前段部を100*150の銅板で作ったサブシャーシに置き換えています。今度は本ちゃんのマルチ・システムのミッドバス(我が家のシステム)を担っているA3500の改造で、出力管は50CA10です。全段差動直結KT88ppでは、前段が12AX7とはいえ差動のため実質38倍の増幅率では苦しかった。前段のゲインアップのためにSRPPの下側球を5極管にしました。「ぺるきゃっとドライブ」です。サブシャーシのサイズが決まっているので、片ちゃんに3本もの球を使う贅沢?が許されません。3極5極複合管の中から6U8を選びました。結果的にはこれがアンプの音を決めました。
本来柔らかな表現を得意とする50CA10ですが、引き締まった躍動的な音を出すようになりました。こういうタイプの音は出力が大きくないと映えません。出力段も差動にした場合には音が細身に感じられたので、通常の回路に戻しました。全段ではなくて前段差動アンプとなりました。 バイアス回路はキットの時のものに少し手を加えてクロストークが14dB向上しています。 出力は、出力段差動だと10Wしかとれません。出力がIpだけで決まるので+Bが高めの本機では50CA10のP損からの制限がきつくなります。非差動で23Wを得ています。
日本駄球協会のお仲間「奈良の鹿野」さんのアドバイスで6U8のスクリーングリッドをツェナーダイオートで安定化しました。音が柔らかい方向へ変化しました。これまで音の芯にコリコリと歯ごたえのあるものを感じていましたが、芯が少しほぐれてきた感じがします。スクリーングリッドの安定化は電圧変動の影響を受けやすい出力管にだけ有効な手と思っていましたが、前段の球でも効果を確認できました。(2000.8.20改訂)
最近このアンプのノイズが気になるようになりました。シャーというノイズなのですが、6U8なんてヤクザな球を使ってるからシャーないかと。いずれ6AN8にでも換えてやるかと諦めておりました。しかし、ふと「スクリーングリッドは入力と考えるべし」という記述がどこかにあったのを思いだし、駄目元で安定化用のコンデンサーを10μから100μに換えてやりました。これが大当たりでノイズは見事に消えて無くなりました。39Vのツェナーを直列に使ってるのですから、そのノイズ対策に当然思い当たるべきだったのですが。FETのリップルフィルターのゲートには10μで充分だったので、ツェナーのノイズ対策にはこの程度で良いという思いこみありました。(2001.12.31改訂)
前段を6AN8に変更しました。最近6AN8を安価で(メーカーはバラバラ)入手できたここと、富嶽miniで使ってみて素直な音が気に入ったためです。6AN8のCRDとG2周りの配線を変更しました。ペアどりは結構厳しくて、異なるメーカー同士では使用出来ませんでした。片チャンネルはシルバニア、もう一方はレイセオンになりました。(2004.7.17改訂)
マルチ・システムのサブ・ウーファーを勤めています。スピーカーに手を入れて以来、ソースによっては少し制動不足かなと感じることがあるのでNFB抵抗を6.8Kから4.6Kへ変更しました。この結果NFB量は7.5dBから9.5dBへ、ダンピングファクターは4から5へと変化しました。(2004.9.21改訂)
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前段差動 50CA10pp 回路図 2000.2.23 2000.8.20改訂 2001.12.31改訂 2004.7.17改訂 |