富嶽の仲間達 (1)

目次


6C33C/6336BコンパチOTL
差動アンプシリーズ その1  3段差動全段直結 12AU7-KT88pp
差動アンプシリーズ その2  前段差動6U8-50CA10pp
差動アンプシリーズ その3  全段差動50CA10/300Bコンパチpp


6C33C/6336BコンパチOTL




  金田式のDCアンプではなく、初段6922、位相反転段5687という「富嶽」からカソフォロ段を除いた普通のプッシュプルで前段を構成しています。ここでもイージーメンテナンスの思想を引き継いで、回路が電源部の「蓋」になるように作ってあります。動作中でも蓋を開けてチェックする事が可能です。日本駄球協会の試聴会では「びっくり箱」アンプというニックネームを頂戴しました。
  6C33Cと前段の間に1列並んでいるソケットは6336用で、コンパチになっています。


6C33-OTLとそのハラワタ

6C33C/6336B−OTL回路図  2000.1.26


差動アンプシリーズ その1 3段差動全段直結 12AU7-KT88pp   2000.8.19


  これまでの経緯は、全段差動直結への道に移しました。

   一応の解決を見た差動直結シリーズですが、12AX7一段では増幅度がギリギリで、NFや入力感度に不満が残ります。6922を不合格としたのはKT88のプレート電流が安定しないからでしたが゜、12AX7では別段何の対策も無しに安定します。「これは6922固有の問題で、他の球なら大丈夫」という事ではないか」という仮説をたてて、再び前段2段増幅に再挑戦しました。
  ヒータ電源の問題が有りますので12AU7を採用しました。在庫はラックスの放出品が7本とシーメンスのECC82が2本有りました。この中から内部の2ユニットの特性が比較的揃ったものを4本選別しました。選別のやり方は、12AU7を本機の初段だけに入れて、80V程度のプレート電圧と2.3mAの電流という条件の時の両プレートの電圧差を測るというものです。シーメンスの2本はどちらも5V以上の差があって失格。ラックスマークの中から3〜4V以下のものを4本採れました。1本だけは1V以下のが有りました。この選別のお陰で、調整は、嵩上げ電圧以外は、初段のプレートに10KのVRが1個だけというシンプルなものになりました。これで出力管のDCバランスを取るだけです。
  「3段差動全段直結 6922-KT88pp」と基本的に同じ回路でKT88のプレート電流はごく安定しています。不安定なのは6922等のHI-gm管を差動回路に用いた場合の固有の問題である可能性が高いと思います。6922でも、1本で2段増幅を行い、これの2本で差動にすれば旨く行くのかもしれません。
  12AX7の時より、高域低域ともに少し締まった音がします。DFが3→4になりましたが、この程度で音がはっきりと変わるとは思えません。12AX7と12AU7の差なのでしょう。何となくに12AX7は細身でシャープ、T7、U7はゆったりというイメージが有りましたが、実際は逆でした。
  KT88は3結とUL接続を試しました。音質的にはULは音が軽やかで、3結は重いという印象です。ソースによっては3結の音の緻密さが音のクオリティの高さを感じさせてくれる事もありましたが、軽やかな生の楽器の音に近いという事でUL接続としました。(2000.8.26改訂)
3段差動全段直結 12AU7-KT88pp  回路図
「全段差動直結アンプ安定化へのヒント」
  出力段を定電流回路で差動化するという事は、プレート電圧も(「富嶽」のような可変の場合を除いて)電流も決めてしまうと言う事ですから、そのバイアスも一意的に決まります。自己バイアスのアンプと同じです。
  なんらかの「カソード電圧嵩上げ回路」を使って前段と直結にする訳ですが、直結するとこの前段のプレート電圧は出力段のグリッド電圧と同じになります。どちらが「主導権」を握っているかというと、出力段のグリッド側です。前段のプレート側は、繋ぐ前に比べて上がるか下がるかして追随します。この時、前段のプレート電圧が「下がる」方に調整して置くと、何か変動があった場合には前段側から出力段のバイアスが深くなる方向に動き出しますから安全です。



差動アンプシリーズ その2 前段差動 6U8-50CA10pp

左 キットの前段部 右 6U8SRPP差動50CA10pp
  これも造りは同じで、前段部を100*150の銅板で作ったサブシャーシに置き換えています。今度は本ちゃんのマルチ・システムのミッドバス(我が家のシステム)を担っているA3500の改造で、出力管は50CA10です。全段差動直結KT88ppでは、前段が12AX7とはいえ差動のため実質38倍の増幅率では苦しかった。前段のゲインアップのためにSRPPの下側球を5極管にしました。「ぺるきゃっとドライブ」です。サブシャーシのサイズが決まっているので、片ちゃんに3本もの球を使う贅沢?が許されません。3極5極複合管の中から6U8を選びました。結果的にはこれがアンプの音を決めました。
本来柔らかな表現を得意とする50CA10ですが、引き締まった躍動的な音を出すようになりました。こういうタイプの音は出力が大きくないと映えません。出力段も差動にした場合には音が細身に感じられたので、通常の回路に戻しました。全段ではなくて前段差動アンプとなりました。
バイアス回路はキットの時のものに少し手を加えてクロストークが14dB向上しています。
出力は、出力段差動だと10Wしかとれません。出力がIpだけで決まるので+Bが高めの本機では50CA10のP損からの制限がきつくなります。非差動で23Wを得ています。

  日本駄球協会のお仲間「奈良の鹿野」さんのアドバイスで6U8のスクリーングリッドをツェナーダイオートで安定化しました。音が柔らかい方向へ変化しました。これまで音の芯にコリコリと歯ごたえのあるものを感じていましたが、芯が少しほぐれてきた感じがします。スクリーングリッドの安定化は電圧変動の影響を受けやすい出力管にだけ有効な手と思っていましたが、前段の球でも効果を確認できました。(2000.8.20改訂)

  最近このアンプのノイズが気になるようになりました。シャーというノイズなのですが、6U8なんてヤクザな球を使ってるからシャーないかと。いずれ6AN8にでも換えてやるかと諦めておりました。しかし、ふと「スクリーングリッドは入力と考えるべし」という記述がどこかにあったのを思いだし、駄目元で安定化用のコンデンサーを10μから100μに換えてやりました。これが大当たりでノイズは見事に消えて無くなりました。39Vのツェナーを直列に使ってるのですから、そのノイズ対策に当然思い当たるべきだったのですが。FETのリップルフィルターのゲートには10μで充分だったので、ツェナーのノイズ対策にはこの程度で良いという思いこみありました。(2001.12.31改訂)

 前段を6AN8に変更しました。最近6AN8を安価で(メーカーはバラバラ)入手できたここと、富嶽miniで使ってみて素直な音が気に入ったためです。6AN8のCRDとG2周りの配線を変更しました。ペアどりは結構厳しくて、異なるメーカー同士では使用出来ませんでした。片チャンネルはシルバニア、もう一方はレイセオンになりました。(2004.7.17改訂)

  マルチ・システムのサブ・ウーファーを勤めています。スピーカーに手を入れて以来、ソースによっては少し制動不足かなと感じることがあるのでNFB抵抗を6.8Kから4.6Kへ変更しました。この結果NFB量は7.5dBから9.5dBへ、ダンピングファクターは4から5へと変化しました。(2004.9.21改訂)


前段差動 50CA10pp 回路図
2000.2.23
2000.8.20改訂
2001.12.31改訂
2004.7.17改訂




差動アンプシリーズ その3 全段差動50CA10/300BコンパチPP


  50CA10が刺さっている状態です。300Bの場合はその前方のソケットを使います。前段の球はシャーシ後方に一列に並べました。当初はカソフォロも含めて6本並んでいましたが、カソファロは前面に移動しました(全段差動50CA10/300BコンパチPP 回路図 参照)>。空き穴には差動/非差動の切り替えスイッチが入っています。
  バイアス/バランス調整はスピーカー端子の左にある4つのボリュームで行います。
  +B電圧(赤のテストポイント)とアース(黒のテストポイント)が外部から測定できます。その他は空いている側のソケットを使って出来ます。このアンプも総ての調整をラックから引き出すことなく行える設計になっています。  

  「LUXキット徹底改造第3弾−A3600編」というテーマでしたが、OPTはタムラのF783に換え、回路全面変更、シャーシ積み替えと、キットで残っているのは電源部だけという有様になりました。中央のPTの左に有るのは+B電源電圧の切り替えSWで350Vと450Vに切り替えられます。
  初段12AU7差動、2段目6922差動、カソフォロ段7044を経て出力段という3段増幅+カソフォロ構成です。クロストークはなかなか良くて10HZで-67dBそれ以上20KHZまでは測定下限以下です。初段の12AU7はLUXのマークの入ったNEC製です。ここでヒーターハムが少し見られますが、2段目の6922ではそれが消えているのは差動の御利益でしょうか。
   出力段は差動と非差動に切り替えられます。出力は出力段非差動の場合が50CA10で57W、300Bで40W(+B電源電圧450V)、出力段差動だと50CA10で20W、300Bで23W(+B電源電圧350)が最大です。中央のパワートランスの左にあるスイッチが電圧の切り替えは用です。
   非差動でも透明で情報感のある音ですが、差動にするとどちらの球でも非常に滑らかで柔らかい音になります。出力球の「音色」への依存性が少なくなる感じです。カップリングコンデンサーも選びません。その意味で全段差動アンプは300Bや貴重な50CA10でなく、比較的安価でプレート損失の大きい送信管を使う方が効果的かも知れません。
  現在マルチ・システムの要、610Aのスコーカーを担っています。(我が家のシステム)
全段差動50CA10/300BコンパチPP 回路図  
2000.1.23
2002.1.5 改訂


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